オフィスモ事業にあたって
「壁紙1枚、席替え1回で、会社は変わる」
これは私が会社を運営する中で感じてきたことです。
そこには、こんな話があります。
改めまして、私は、アサヒ商会の廣瀬です。
アサヒ商会は1948年創業の、文具とオフィスの商社です。
創業期は文房具を主流に、その後OAやIT 関連、オフィス家具、リサイクルなどに拡大
(縮小時期含めて)してきました。
だから、(オフィスモなんていう)こんな事業をやっているのだろう?と言われればそれまでですが、
実は、この事業、このコンセプトに至るまでには、こんな過程があるのです。
みなさま(オフィスに大して特にこれといったイメージのない方)と一緒で、私たち
もオフィスについては、適当に考えてきました。
販売をしながらも、「古くなったから買う」「引っ越ししたから買う」「工場新設だから
買う」そんなごくごく当たり前の商売を行ってきました。
ですので、オフィス空間が人にどんな影響を与えるかなんて考えてもみませんでした。飽
くまでも必要だから買うもの。明るい色やカッコイイのが望ましいのは当たり前ですが、
安くて長く使えるものが正しい、そんな風に考えていました。
ところが、オフィス家具とは関係のない私たちの事業で、こんなことが起きたのです。
それは全く考えていなかった事から
それは、文具店での経験。
それまで私たちの文具店は、やすくて喜ばれてはおりましたが、正直売り上げも毎年右肩
下がりでした。ですが、私が社長になって、なんとか会社を伸ばそうとしたとき、ロフト
やハンズのような存在が高崎にないことに気づきました。
だとすればそのポジションを狙おう、
というシンプルな感覚で、この事業をリニューアルすることを考えたのです。
で、行ったのは実はシンプル。
看板を変えて、内装を変えて、ロゴを変えて、名前を変え、制服を変えた。こうみると結
構大がかりではありましたが、変わっていないことが大事なことひとつ。それは人は変わ
っていないコト。社員もアルバイトも変更ありません。
で、リニューアルして、どうなったか。
店がキレイなのはまあ当然ですが、「親切な接客でいいね」「積極的な社員さんがいてう
らやましいね」と言われるようになったのです。
古くて、汚くて、雑な接客で、社長がひとりで一生懸命掃除していても誰も手伝ってくれ
ない状況から、親切で積極的な社員へ。同じ人が行動を変えたのです。
不機嫌で不親切な人は、明るくて親切な人になったのです。
本質的には、なったのでなくて、多分その部分を出してくれるようになったということ。
考えたこと
考えてみれば、人は空間でふるまいを変える。
フレンチにいる時と居酒屋にいる時で、
会議に参加している時と、フェスに参加している時で、
じゃあ、オフィスのとき、ってどうなんだろう?
オフィスにいる人は、自分は、どのトキだとなんだろう。
人は、見ているものや、聴いている言葉に影響を受けてふるまいを変える。
楽しく明るい雰囲気のオフィスでは、人はそうふるまい
厳かな会議室ではそうふるまう。
乱れた汚い事務所では、仕事も適当になってしまう。
人間の弱さかもしれない。
場を清める。お掃除も大事。ですよね。
経験と仮説から実践へ
だったら、オフィス変えればいいじゃん。
とはいえ、いきなり空間から変えても元の書類満載の事務所に戻ることは目に見えてました。まずは片付けと整理整頓、5Sの徹底を行いました。
そこから空間作りに着手しました。
空間が変わることで、人が変わった。
自社オフィスとはいえ、古くて汚いオフィス。
壁紙をきれいにして、照明を明るくし、オフィスの整理整頓と掃除をしました。
それから定期的な席替えと、不要な部屋をなくして広々としたオフィスになるように。
そうしたらやっぱり人が変わった。
考えてみれば、壁紙ひとつで雰囲変わります。それどころか席替え一つで変わる。
小学校のころ私たちは席替えで友達を作ってきた。学園天国の歌詞を思い出すまでもな
く、席替えやクラス替えは悲喜こもごも。友達が変わるとふるまいが変わる。役割が変わ
る。
私たちが企業経営で一番恐れるのが、
オフィスで、働く人が
①固定化した仕事のやり方、
②固定化した人間関係で
③固定化した考え方、
を持ってしまい、社内にイノベーションが起こりにくくなる状況を作ってしまうこと。
本来、もしかしたらいろいろな才能があるかもしれない人々のやる気をそぐこと。
だから、それを変えるために、席替えですら大事。
見る景色が変わるだけで行動が変わるのです。
空間が変わると、行動が変わる
行動が変わると、習慣が変わる。
習慣が変わると、結果が変わる。
結果が変わると、考え方が変わる。
他人の考えかたを、強制的変えるのはとても難しい。
スティーブジョブスのようなプレゼンができて未来を信じさせることができればとても素
晴らしい。
でも私にはそれはできない。
できることは、場を変えること、だから場を変えることに意味があると気づきました。
群馬のオフィスをヤバくする。
ありたい未来について。
仕事がつまらないとか、働くモチベーションが低いとか色々課題があります。
でも、オフィスのあり方ひとつで、会社が変わるのであれば、それをどんどん伝えたい。
費用も掛かるからそんなにはできない。壁紙一枚かもしれない。それでも変化が毎年少し
ずつ積みあがることがオフィスじゃなくて、人の働きを変えることになる。
それを理解する仲間が増えて、この地域のオフィスがみんないいところになる。
すると、都心へ流出していた若者が残って一緒に頑張ろうと思ってくれるかもしれない。
そんなオフィスが増えて、群馬に人が集まったらすごいよね。
そんな風に思っています。